「NARUTO -ナルト-」で有名な岸本斉史さんの双子の弟の岸本聖史さんについてまとめました。経歴から作品、そして新作や漫画の画力など仕事について、また顔などプライベートについて調査をしました。
親子や兄弟でそれぞれ漫画を発表している人や、共同で発表している人はいるかもしれませんが、双子でしかもそれぞれ自立して作品を発表している漫画家は少ないと思います。その漫画家の一人、岸本聖史の経歴から作品について、また顔写真など双子ならではのプライベートの部分にまで、まとめてみたので、お伝えいたします。
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岸本聖史さんの経歴と作品について
岸本聖史さんは1974年11月8日生まれ。岡山県勝田郡奈義町出身。「NARUTO ?ナルト-」で有名な岸本斉史さんの双子の弟です。
高校を卒業後、運送会社勤務を経て、2001年に読み切り「TRIGGER」で「ガンガンパワード」からデビューをしました。計算するとデビューしたのは27歳。漫画家としては遅咲きのデビューです。
2001年から2007年まで「月刊少年ガンガン」に「666~サタン~」を連載しました。全19巻
英語版でのタイトルは「O-Parts Hunter(オーパーツ・ハンター)」です。
悪魔の力を持つ野生児ジオと伝説のオーパーツを探すトレジャーハンターの少女ルビィたちの伝説のオーパーツを巡る旅を描いた冒険活劇です。
物語中にはオカルト的発想によって生まれた悪魔や天使が存在します。宗教が機関として成り立つ世界であり、天使と悪魔が世界の均衡を保つ天秤のような存在として成り立っています。このような世界観から、どちらかというと作者はサブカルチャー的発想によっても物語を構成しているように感じられます。
また、連載当初からキャラクター造形や作画に関して、双子の兄である岸本斉史さんの絵柄と酷似していると指摘があり、中には「パクリ」という内容の手紙もあったらしいです。
岸本聖史さんは、「双子なので同じような漫画を読んで育った。そのせいで絵柄も似ている」と釈明しています。
実際の絵柄は当時(というか今でも)流行している「ワンピース」とも似ていて、「NARUTO -ナルト-」も「ワンピース」と似た部分があります。きっとあの絵柄は少年漫画や冒険活劇を描くうえで時代の要請や空気が読んだ絵柄なのでしょう。
兄弟で全く違う絵柄だとしたらそれはそれで、少し怖い感じがします。ちなみに似ているのは漫画だけで、弟の自分の方が男前だそうです。双子だからこそ言える、ハイセンスなギャグです。ほほえましいエピソードですね。
その後、発表の場を講談社に移した岸本聖史さんは、2008年からは「ブレイザードライブ」を「月刊少年ライバル」で連載を開始しました。
この作品はもともとゲーム作品と同時に製作・展開が行われたメディアミックス企画のなかで作られた作品です。この漫画は2010年まで連載をしました。全9巻。
ちなみにゲームの方はニンテンドーDSで発売されたカードバトルRPGです。キャラクター造形が、「NARUTO -ナルト-」に似ているのはいた仕方のないことでしょう。
しかし岸本聖史さんは兄の岸本斉史さんより画力が低いです。いや兄の岸本斉史さんの画力が高すぎるのかもしれません。現代の漫画家のなかでも最高峰の画力を誇る兄と比べられるのは本人にとっては、コンプレックスになったかも知れません。
岸本聖史さんは漫画には、物語の中に兄弟の能力の差と、それに伴うコンプレックスを挿入することがあります。
それは双子の兄である岸本斉史さんも同じでうちはサスケとうちはイタチの関係などは兄弟だからこそ、持ちえる物語をテーマにしています。兄への憎しみを胸に生きてきたうちはサスケと弟と一族に対する贖罪のため生きてきたうちはイタチの物語は、兄弟を持つすべての人に、どこかで共感できる物語なのではないでしょうか。
その後、講談社の「月刊少年ライバル」で2012年から2013年まで「紅の狼と足枷の羊」の連載をしました。
おとぎ話をモチーフにしたアクション・ホラー作品です。全4巻。物語は「赤ずきん」をモチーフにした戦いをテーマにしています。
物語を悪夢と捉えるストーリーや、自己像を他者に投影するドッペルゲンガー的キャラクター造形は、おとぎ話など古典的な物語を換骨奪胎するときによく使われる手法です。
少年漫画らしく、対立するドッペルゲンガーを配置するなど、構成は凝っていますが、物語≒悪夢というストーリー構成が、少年漫画としては、高級≒何回過ぎたのかもしれません。ユニークな話だったのが、少年漫画のフォーマットで完結してしまったのが、少し残念です。
2014年から古巣のスクエア・エニックスに戻ってきた岸本聖史さんは「月刊少年ガンガン」及びwebコミック配信サイト「ガンガンONLINE」で「助太刀09(すけだちないん)」の連載を開始しました。この連載は2016年まで続きました。全5巻です。
近未来の日本になぜか江戸時代のような設定の仇討制度「仇討死刑」が存在するというスチームパンクではなくて江戸パンクとでも呼べるのではないかとい設定の漫画です。その中で仇討の助太刀をする特殊執行隊(通称を助太刀人と呼ぶ)に所属する9人の活躍を描いた作品です。
タイトルからわかる通り構造的モチーフは「サイボーグ009」です。「サイボーグ009」は異能を持った主人公たちの戦いを描いた作品ですが、この「助太刀09」の主人公たちも其々特殊能力を持っていて、またそれぞれ、何らかの事情を抱えています。名前が江戸時代(というか戦国時代)の歴史上の人物からとられているのも愛嬌ですね。
過去を抱えた人物造形は、少年漫画の場合はトラウマ克服型になる場合があり、また青年漫画では大人、またはプロフェッショナル型として造形される場合があります。「助太刀09」は、まるで必殺仕事人のような漫画ですが、最も怖いのは人間の心ともいえる物語です。
そして2017年には講談社の青年誌「モーニング・ツー」で「マッドキメラワールド」の連載を開始しました。
現在の私たちからは奇形しか存在しないように見える世界で「ミツキ」と「ウサギ」の物語が始まります。すべての登場人物が、かつて○○に似ている生き物で、主人公の「ミツキ」と「ウサギ」は人間に姿かたちが似ています。
知性が失われ、本能が排除された世界では、母親は生まれたばかりの子供を殺し、自分自身の夫を生殖行為の跡に殺害し、生まれた子供は兄弟間で共食いを始める。
これらは自然現象の中でも昆虫の生態のなかでは存在する行為であり、カマキリの話は多くの人に知られています。
昆虫など本能以外に何かに命令されて行われるこれらの行為を、現代の生物学などでは変態と呼びます。何かと何かが組み合わされたためもともとあったDNAが変化してしまったと思われるキメラたちの世界で、弟をまもるために戦い続ける「ウサギ」と真実を求めるため旅を続ける「ミツキ」の修羅の同行が物語の軸になります。
この漫画は「知性」が大きく意味を持っている世界であり、「知性」の価値を、人間らしさと捉えていて、人は誰かのために生きることが大事なのだ、というメッセージをもった物語でもあります。
「知性」が「欲望」とリンクしている21世紀現代において、「知性」と「愛」を同レベルで扱える物語は希かもしれません。
双子だからこそ持ちえる知性であり、私はそこに、ヘルマン・ヘッセのような詩人の魂が存在を感じました。
岸本聖史さんの双子の兄の岸本斉史さんとの対談、岸本斉史の弟であることについて
兄弟間の対談はお互い気恥ずかしいもので、特に大人になってから多くを語るのは酒でも飲まないと話せないことが多いでしょう。
また兄弟、しかも双子で同じ職業をしているとなると、お互いの楽屋裏を知っている状態ですから、実際どのような話をすればよいのか、どのような内容になるのか、と読む前から不安になりました。
嘗て小説家ではエラリー・クイーンが兄弟間で小説を描いていました。また映画監督の中には「ファーゴ」や「ノー・カントリー」等で有名なコーエン兄弟、また「マトリックス」で有名なウォシャウスキー兄弟(現在は姉妹)もいます。
漫画家では同じ少年漫画家で冨樫義博さんも兄弟で漫画家ですね。
特に、岸本聖史さんは現代の最高の作画能力を持つ岸本斉史さんの弟であることに関して、コンプレックスがあったようです。双子でありながら、このような才能を幼いころから目のあたりにしていれば、当然だと思います。
そのうえで、兄と同じ漫画家を目指したのは、やはり漫画が好きだからでしょう(双子なので同い年ですが)。当初は比べられるだろうし、認められないことも多かったはずです。デビュー当時も「NARUTO -ナルト-」の作者の弟ということで、編集者の中でも、ほかの新人が「○○先生」と表記されていたのに対して、「岸本君」と呼ばれていたそうです。
多分、岸本聖史さんの漫画家になる覚悟は相当なものだったのでしょう。
岸本聖史さんの顔と年齢について
岸本聖史さんの顔は当たり前ですが双子の兄の岸本斉史さんと非常に似た顔をしています。職業まで同じですから、双子でも、もっと似たような顔になるのではないでしょうか。また年齢も当たり前ですが同年齢です。2017年の現在は42歳です。既婚者です。兄の岸本斉史さんよりも早く結婚したそうです。
ネットを探したら画像がありました。
引用元:UNCUTPENISのブログ
ちなみに兄である岸本斉史さんの顔画像はコチラ。
引用元:カルブロ
うーん、双子ということでそっくりですね。
岸本聖史さんのイラストと漫画の画力について
岸本聖史さんはデビュー当時から兄の岸本斉史さんの漫画と比べられてきました。画力から言えば、兄の岸本斉史さんより劣っています。むしろ岸本斉史さんに才能がありすぎるのかも知れません。
その才能を見せつけられながらも漫画家としてデビューした岸本聖史さんはただものではありません。
その後、どんどんと独自の画風を開拓していった岸本正史さんは、現在「マッドキメラワールド」という名前の漫画を連載しています。
グロテスクな部分が多いのですが、作画能力が高く、また女性を可愛く書く才能が芽生えてきているように感じます。兄の方はデッサン力や構成力の高さが女性を可愛く描くようには方向へは向かなかったようです。
ちなみにイラスト集は特に出版していません。
岸本聖史さんの年収と双子の兄の岸本斉史さんの年収を比較
年収十億円を稼いでいると思われる「NARUTO -ナルト-」の作者の岸本斉史さんと岸本聖氏さんの年収の差はどのくらいでしょうか。
多分ですが兄の岸本聖史さんの方が年収は高いでしょう。「NARUTO -ナルト-」はアニメ化もされ、映画化もされています。現在、連載の仕事はしていませんが、続編の「BORUTO -ボルト-」の原案・監修などの仕事もあることですし。
しかし、岸本聖史さんは、現在も漫画の連載を行っているので、収入自体は続いていくでしょう。以前の単行本も販売されていますし、現在の連載中の「マッドキメラワールド」も非常におもしろそうです。期待できると思います。
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コメント
殺伐とした作品が多い様で岸本聖史先生の闇や膿みを吐き出し先生自身を浄化していると思う。