『東京喰種トーキョーグール』の作者、石田スイさんの経歴と作品について、調査をしました。
性別が実は女性であることや顔、事故について、またイラストから見る画力についてお伝えいたします。
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石田スイさんの経歴と作品について
石田スイさんは日本の漫画家です。誕生日は12月28日です。しかし何年に生まれたかは公開されておりません。つまり具体的な年齢は伏せてあるということになります。また性別も非公開になっています。
出身地は福岡県です。九州出身の漫画家です。
2010年にヤングジャンプ月例第113回MANGAグランプリにて『東京喰種』が準優秀賞を受賞して漫画家デビューをしました。同作は2011年3月に発売した『ミラクルジャンプ』(集英社)No.2に掲載されています。
2011年からは『週刊ヤングジャンプ』(集英社)に『東京喰種トーキョーグール』の連載を開始しました。
この連載は2014年まで続きました。単行本(ヤングジャンプコミックス)で全14巻になります。
『東京喰種トーキョーグール』は現代の東京に生きる人間以外の生物「人外」をテーマにした作品です。
主人公の金木研(かねきけん)はある日「喰種(グール)」に襲われてしまいます。その後、運よく助かったと思いきや、自分も喰種化してしまったのです。
その時から、主人公の「喰種(グール)」としての生活が始まります。それは味覚が今までの自分とは変化するのです。一言が言うと「人間を嗜好」してしまうのでした。
人間しか食べられない悲劇を生きることになった金木研は、喰種たちが人間を襲う連続殺人鬼ではなく、人間を喰べることでしか自らの生命を維持することが出来ない哀しい生き物であることに気付きます。
その哀しみを感じながら、自らの人間としての感性を言語化することで維持して、生きようとする主人公。どのように彼は自らの人生を生きていくのでしょうか…というのが粗筋になります。
前述したように『東京喰種トーキョーグール』の特徴は主人公が自らの内面を言語化、つまり文学として捉えることができるところにあります。
ここに、ゴシック文学としての『東京喰種トーキョーグール』の魅力を感じるのは私だけではないでしょう。そして『東京喰種トーキョーグール』の文脈は90年代を代表する漫画『寄生獣』と繋がります。
ある日、パラサイトに右手を喰われ、あまつさえ寄生されてしまう主人公の泉新一は、「人類を食べること」自体を生物の使命として生きるパラサイト達と戦うことになります。
少しずつパラサイトに体と精神を支配されていく泉新一はどの様に生きていくのか、が『寄生獣』の粗筋です。
このように、不意の出来事によって少しずつ、変容していく自分をテーマにした作品はなかなかありません。ここには「成長する主人公」や「最強の主人公」や「優柔不断な主人公」ではなく、人生を選択しなければならない人生を背負ってしまった人間の姿が描かれています。
人間の生きる上での哀しみを体現できる漫画は意外と少なく、またそれを乗り越えようとする意志が描かれている作品もより少ないです。
ダーク・ファンタジーの領域には、人としての領分を外れてしまったもの(人外)に心や命を与える力が物語の中にあります。
ダーク・ファンタジーを代表する『鋼の錬金術師』や『寄生獣』にも自らの目的のために、自分の倫理を超えてさえも戦いを選択する登場人物たちの姿が描かれています。
弱者だからこそ見えてくる世界には、強者だけが評価される世界よりも豊饒な世界が存在するのではないでしょうか。
2014年からは『東京喰種トーキョーグール:re』を『週刊ヤングジャンプ』に連載開始しています。
2018年の現在も連載中です。単行本(ヤングジャンプコミックス)で13巻まで発売されています。
『東京喰種トーキョーグール:re』は「喰種(グール)」を駆逐するために自ら「喰種(グール)」の能力を手に入れた捜査官たちの物語です。
この漫画のテーマに通底するのは「喰種(グール)」には本質や本物が存在するということです。まず人間を嗜好するのが「喰種(グール)」です。本質があるため、その本質を追求していくうちにそれ自体が快楽であることに気付きます。
とするならば、「喰種(グール)」の本質をずらして、「喰種(グール)」自体に対抗する手段として作り替えたのが『東京喰種トーキョーグール:re』の物語です。
「喰種(グール)」にされてしまった主人公の自己との対抗の物語と、「喰種(グール)」と対抗するために自ら「喰種(グール)」になった者たちの物語。
しかし対抗するものたちが集団であるのは、自らの本質と向き合う必要があるからです。しかし何故「喰種(グール)」と対抗するのか。法のためか、国のためか、人類の未来のためか。
この「何故」に対する本質的な懐疑こそ「喰種(グール)」の本質であり、その自分の中の「何故」をもとめることが嗜好(フェティシズム)の本質なのではないでしょうか。
体系化する嗜好(フェティシズム)は熱狂(マニア)化して、その世界から抜けられなくなります。そしていつの間にか狂気(クレイジー)の中に自己は埋没するのです。
そんな人間の変質の恐怖をアクションとエンターテインメントを軸にして描いた『東京喰種トーキョーグール』は漫画表現において、面白くもユニークです。
『東京喰種トーキョーグール』はアニメ化や映画化、舞台化もされています。
石田スイさんの性別が女性で腐女子であることについて
石田スイさんは漫画家として、表に顔を出していない作家です。また性別も明らかにしていません。
推測によると男性であるという意見もあります。「ヤングジャンプ月例第113回MANGAグランプリ準優秀賞」に選ばれた時に「石田スイ 24歳 男性」という記述があるからだそうです。
とすると、男性であることは今の所、確かなようです。
それならば「女性」という推測は何処から生まれたのでしょうか。
それは石田スイさんの画風からではないでしょうか。石田スイさんの絵柄は耽美な雰囲気があります。水彩のニュアンスが淡いエロスが感じさせるからです。
その絵からは死のニュアンスが感じられます。そしてそれが「腐女子」というタームとシンプルに結びついたのではないでしょうか。
つまり女性であることが初めにあるのではなく、イラストが上手いため「腐女子」のニュアンスを持ち、それが女性ではないか、という逆算に結びついているのです。
なので、石田スイさんが本当は何歳で性別も男女どちらかはわかりません。今のところ「男性」なのかも。
石田スイさんの顔について
石田スイさんは顔を表に出していません。そのためどのような顔をしているのかわかりません。このことが石田スイさんが男性か女性か、と想像させる契機になっているのかもしれません。
漫画家の中にはTVに出演するなどしてサービス精神を発揮する方がいます。その為顔を出さないこと自体に何らかの意味を見出してしまう場合があります。
でも、石田スイさんが男性か女性か、興味がわくのは、石田スイさんの漫画が面白いからです。
石田スイさんの事故について
石田スイさんの事故について、検索をしてみました。
しかし石田スイさんが事故を起こしたという記事は見つかりませんでした。
石田スイさんの画力とイラストについて
石田スイさんのイラストは水彩画のニュアンスが感じられます。また死のニュアンスも感じられます。このような画風を持っている漫画家は少ないです。
それは石田スイさんが漫画家を表現の核にしているからです。
そこにはカニバリズムをテーマにしながら『進撃の巨人』がニーチェの「深淵」と「ルサンチマン」から成り立った憎悪の物語であることに対して『東京喰種トーキョーグール』が弱者である哀しみを物語化した一種のドキュメンタリーの相を呈していることも関係するのでしょう。
弱者が捕食者になるときに漂う、そこはかとないエロスと死のニュアンスこそが、石田スイさんのイラストを魅力的にさせているのではないでしょうか。